松倉院長コラム 第12回-1: 美容医療の歴史(1) 肌を柔らかく、すべすべに。ケミカルピーリング
2018.03.23
美容医療は、日々進化しています。ただ、その内容について正しく理解するための情報は意外と少ないように感じています。
そこで、今回からは、私が開業以来とり組んできた美容医療について、一つひとつご説明をしていきたいと思います。
初回は、私が開業時に真っ先にとり組んだ「ケミカルピーリング」についてです。
ケミカルピーリングとは、文字通り、化学(ケミカル)の力を借りて、肌の表面の古い角質や表皮の一部を取り除き、すべすべした柔らかい張りのある肌に生まれ変わらせるという治療法です。肌にメスを入れる従来の美容外科手術に比べて安全で手軽なものです。
このケミカルピーリングを取り入れるきっかけとなったのは、ドクター・オバジの肌再生医療を勉強するために渡米していた際の、ある女性エステティシャンとの出会いがありました。アメリカでは、エステティシャンは州ごとの免許制度による資格を持っており、クリニックと提携したり、自らサロンを開業しているのが一般的です。
私が出会ったその女性は「施術のメインに、ケミカルピーリングを用いている」と話し、「日本では、やってないの?」と聞いてきました。私が答えられないでいると、「勉強しなさい」と本を三冊くれたのです。
当時、アメリカはケミカルピーリングの先進国。いっぽう、形成外科医として私が教科書的な知識で理解していたケミカルピーリングとは、「フェノール(石炭酸)」という強い薬剤でやけどを起こさせ、肌を再生させる治療法があるらしい、という程度でした。
また、日本人の皮膚は白人よりも色素沈着やケロイドなどのトラブルを起こしやすいため、この治療法は推奨されない、とも学んでいました。
治療のメインになるほど実践されているケミカルピーリングを知りたい。日本ではまだ誰も見たことがない施術を学びたい。「ぜひ現場を見せてほしい」と、ロサンゼルスにある彼女のサロンに見学に行くと、ケミカルピーリングといってもいろいろな薬剤の種類があることがわかりました。
(松倉院長コラム 第12回-2に続く)